■公立離れはどうすれば止まる?

私立高校の割合
拡大する

 進む公立離れに歯止めをかけるには今、何ができるのか。近畿大学情報学研究所所長の夏野剛氏は「一つの問題は、公立高校の教員のなり手がいないこと。教員になる大卒の方も私立を志向する」と述べた。「僕も公立だったが、先生が異動で他の都立高校に異動してしまう。私立の場合、そこの学校で文化を作っていく、一定の教育方針に基づいてみんないろいろカリキュラムを作るが、都立高校の場合はどんどん異動していってしまう」。

 この問題に石川氏は「私立だから教員が集まっているということではないが、私立でも教育改革をやって働きがいがあるところには集まっているという感じ。結局、公立の教育が古くてなかなか新しく変わらない。今、文科省が行っている新しい学習指導要領の『自分で考える力』とか、そういう方向に舵を切っている私立学校には教員が集まる感じがしている」と実情を語った。

 その上で問題解決策としては「公立を変えていくには、良い指導者がいないといけない。良い校長を立ててそこに任せる。今、下手すると校長は1年や2年でどんどん異動させられてしまうので、3年から5年という権限、任期も与える。校長が今の新しい教育はこうあるべきだということを打ち出して進めていくことが一番。今回残念なのは、教育内容に関わることは全然予算になっていない。だから教育が良くなるというのはなかなか簡単ではないだろう。親はいいかもしれないが、学校としては教育内容を今変えなければいけないのが一番なので、そこに何とかお金をつけてほしい」と述べた。
(『ABEMA Prime』より)
 

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“高校無償化”に賛否 私立を優遇?公立は定員割れも...どう生き残る
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