著書に「介護格差」がある淑徳大学教授の結城康博氏は、今回の調査結果を重く受け止めている。「深刻な問題だ。16時間の夜勤でも、ちゃんと労働基準法に沿って2時間の休憩、仮眠を取ってやっているところもある。ただし、今回の調査ではちゃんとやっていないところが結構あった。仮眠も取れない、休憩も取れない。しかも16時間だが、次のシフトの人にバトンタッチする時も、人員が足りないから残業して18時間になるという問題もあり、深刻さが出ている」と解説した。

 例として出てきた「40人を1人が介護する」ケースは、全ての施設であるわけではない。たとえば特別養護老人ホームでは、介護保険法により、入居者3人に対して1人の介護職員を配置と定められている。一方で、サービス付き高齢者向け住宅については規定がなく、結城氏によれば「22~23人に1人」が実態となっており、「事業所の区分けによって規定も違うことは注意しなければいけない」。

■介護職の有効求人倍率が約14倍に
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