■離婚した父に引き取られ車中生活で「消えた子」に

君塚龍二さん
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 「消えた子」の調査対象は7歳から14歳の小中学生のみ。未就学児や、義務教育を終えた子は対象外だ。長年取材してきたジャーナリストの石川結貴氏は、女児の遺体がコンクリート詰めで見つかった事件に「たくさんの方が衝撃を持って受け止めているかもしれないが、1人の被害者の後ろに何十人、何百人と同じように発見されないまま、闇に葬られた子どもがいることに、目を向けてほしい。氷山の一角だ」と語る。

 自身が「消えた子」になった君塚龍二さんのケースは、両親の離婚が始まりだった。「小学1年生から4年生まで、いわゆる居所不明児童になった。1年生までは普通の一般家庭に育ち小学校にも通っていたが、両親のケンカが毎日絶えず、離婚になった時に父親に引き取られた。2人暮らしをしていたが、なかなか父親の仕事が続かず、お金もなくて家を追い出された。そこから『家なき子』になり車で生活になり、ご飯は基本毎日食べられず3日に1度が当たり前だった」。拾ったものを食べたり、自動販売機の近くに落ちている小銭を拾ってパンを買ったり。そんな生活が続いたが、学校や警察、児童相談所などに探された実感もない。「(当時)7歳なので、親に『行くぞ』と言われて連れていかれるだけで、それが当たり前だった。転々としていたので友だちもいないし、相談できる関係でもなかった」。

■父の病気をきっかけに発見
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