■新たな「消えた子」を生まないためには

消えた子の理由
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 では、どうすれば君塚さんのような「消えた子」が新たに生まれなくなるのか。石川氏は、日々の暮らしの中で違和感を覚える子どもを見つけた時の、周囲の行動をポイントにあげた。「みんな他人事で、社会の関心がない。『なんか、どこかに行っちゃったんだね』ぐらいなものだ。私が取材してきた子どもたちもそうだが、平日の昼間に街をさまよい歩いて、お風呂にも入っていない、髪の毛も伸び放題、薄汚れた服を着て、どう見ても『あの子、どうしたんだろう』となるはずなのに、誰も声をかけない。それは結局、すごく大きな無関心が積み重なっている。こういった問題に少しでも関心を持ってほしいし、自分にできることも必ずある。そのまま放置しないで、交番に一言言ってみようとかいう動きをしてくれるだけで、発見の糸口になる」。

 また君塚さんは「消えた子」時代に一度、警察に保護された時の経験を踏まえて語る。「僕が夜中ちょっと(一人で)出歩いた時に保護された。『お父さんを呼んで』と言われ、父が『うちの子がすいません』で終わってしまった。例えばその時、小学校か児童相談所が捜索願を出していたら、僕はもっと早く見つかったかもしれない。その流れをもっとちゃんとしてほしい」。
(『ABEMA Prime』より)
 

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全国に74人「消えた子」とは 元当事者に聞く過去「車中生活を...」
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