アニメ『チ。 ―地球の運動について―』ラファウ、フベルト、場面カット
【動画】『チ。』エピソード一覧
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チ。 ―地球の運動について―
チ。 ―地球の運動について―

 TVアニメ『チ。 ―地球の運動について―』は、「天動説」が信じられていた時代に命の危険をかえりみずに異端思想とされている「地動説」の研究をする人々を描いた物語です。

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 原作は魚豊(うおと)氏が2020年9月〜2022年4月まで「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載していた同名マンガ。原作は「このマンガがすごい!2022」のオトコ編で第2位を獲得。さらに「第26回 手塚治虫文化賞」でマンガ大賞、「第54回星雲賞(2023年)」ではコミック部門を受賞するなど、マンガファンの間ではアニメ化前から注目度の高い作品でした。

 この記事ではアニメ『チ。』の主人公の名前を一覧でまとめ、声優情報やモデルとなった実在の人物はいるのかなどを記述しています。

目次

  • アニメ『チ。』はどんな作品?
  • アニメ『チ。』の主人公が複数人いる理由は?作者がインタビューで発言
  • アニメ『チ。』の主人公は誰?何人いる?
  • 1章の主人公
  • 2章の主人公
  • 3章の主人公
  • 4章(最終章)の主人公
  • アニメ『チ。』の主人公の中で死亡したのは誰?
  • アニメ『チ。』の主人公は実在する?モデルになった人物は?
  • アニメ『チ。』主人公一覧のまとめ

アニメ『チ。』はどんな作品?

 『チ。』は、15世紀のヨーロッパ某国を舞台にしたアニメです。物語は全4章。1章では12歳でありながら飛び級で大学進学を認められた神童・ラファウが、異端思想が火あぶりに処せられていた時代に、異端な研究をしていた学者・フベルトと出会います。

 地球が宇宙の中心だと考える「天動説」が正しいとされていましたが、フベルトが研究していたのは地球が自転や公転をしているという仮説「地動説」でした。ラファウは養父のポトツキに言われて好きだった天文の勉強を辞めて、大学では神学を学ぶ予定でしたが、「地動説」を知ったことで胸の内に秘めていた天文学への想いを膨らませていきます。

 原作は魚豊氏による同名漫画。2022年6月にアニメ化が発表され、2024年10月〜2025年3月までテレビアニメが放送。オープニング主題歌はサカナクションの「怪獣」、前半クールのエンディング主題歌はヨルシカの「アポリア」、後半クールのエンディング主題歌はヨルシカの「へびです。

チ。 ―地球の運動について―
チ。 ―地球の運動について―

アニメ『チ。』の主人公が複数人いる理由は?作者がインタビューで発言

アニメ『チ。 ―地球の運動について―』場面カット2
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 アニメ『チ。』は4つの章に分けられてストーリーが紡がれていて、各章ごとに主要キャラクターが異なっています。

 原作者の魚豊氏は、YouTubeチャンネル「話題の本ドットコム」のインタビューで主人公を1人にしなかった理由を語りました。魚豊氏は、何かが大きく変わる時は1人の天才が変えるのではなく、様々な場所、様々な時間、様々な人たちが意識的か無意識的に協力した結果大きなものが変わると思っているため、『チ。』はリレー形式で章ごとに主人公が変わるようにしたとのことです。

 さらに魚豊氏は別のインタビューで、ダイナミックな動きを描きたかったため、部を分けて主人公を変えて、認識が動いていくところを描きましたと答えました。

 各章のキャラクターがほかの章でも登場することがあり、章をまたいで登場するキャラクターとしてはノヴァクが1章〜3章、ヨレンタが2章〜3章に登場します。

チ。 ―地球の運動について―
チ。 ―地球の運動について―
第1話『地動説』、とでも呼ぼうか

アニメ『チ。』の主人公は誰?何人いる?

アニメ『チ。 ―地球の運動について―』24話アルベルト・ブルゼフスキ場面カット01
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 『チ。』の原作者・魚豊氏は様々な媒体でインタビューに答えていて、ラファウやオクジーが主人公であることを認める発言をしていますが、主人公が何人いるかについては明言していません。

 アニメ作品においては、キービジュアルの中心にいる人物が主人公のパターンが一般的です。アニメ『チ。』のキービジュアルは2つ公開されていて、最初に公開されたキービジュアルではラファウが中心にいて、その周りにオクジーとバデーニとヨレンタが描かれました。

アニメ『チ。 ―地球の運動について―』キービジュアル1
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 後半クールのキービジュアルでは、ドゥラカが中心でその周りにシュミットとノヴァクらが描かれているので、第3章の主人公はドゥラカだと推測されます。

アニメ『チ。 ―地球の運動について―』キービジュアル2
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デザイン原案:gratan 制作:マッドハウス
ビリング・組み上げ:バルコロニー

主題歌映像で主人公扱いのキャラは?

 オープニング主題歌(サカナクション「怪獣」)の映像では、1章はラファウ、2章ではオクジー、3章ではドゥラカが目を開けるシーンからはじまります。そのため、3章はドゥラカが主人公なのではないでしょうか。

 前半クールのエンディング主題歌(ヨルシカの「アポリア」)の映像では、ラファウが1人で歩いているシーンから始まり、2章放送時にはラファウが歩いている次のシーンでオクジー、バデーニ、ヨレンタの3人が歩くシーンが追加されました。2章に関してはオクジーだけでなく、バデーニ、ヨレンタも主人公扱いなのかもしれません。

 アニメ作品では、エンディングのキャスト紹介クレジットで名前が1番上に記載されているキャラクターがその作品の主人公であるケースが多いです。1章ではラファウが1番上、2章では基本的にオクジーが1番上に名前がありました。オクジーのセリフがない第15話のエンディングでは、バデーニが1番上にクレジットされています。

 3章では、ほとんどの回のエンディングで1番上にドゥラカの名前があります。3章初回の第16話ではドゥラカが登場せず、1番上に名前が記載されたのは異端解放戦線の部隊長のシュミットでした。3章最終話の第23話に関しては、ドゥラカが登場しているにもかかわらず、エンディングでは異端審問官のノヴァクの名前が1番上に記載されています。

主人公は何人?裏の主人公だと考察されているのは?

 主人公が各章に1人だけなのであればラファウ、オクジー、ドゥラカ、アルベルトの4人が主人公だと思われます。しかし、各章に1人だけとは限らないのであればバデーニとヨレンタ、シュミットなどの地動説に大きく関わった人物たちも主人公扱いの可能性がありそうです。

 ノヴァクに関しては、劇中でただ1人だけ1章〜3章まで登場しているキャラクターです。3章最終話の第23話のエンディングではドゥラカや幻影で登場したラファウではなく、ノヴァクが1番上にクレジットされました。ラファウやオクジーが身につけていたネックレスを最終的に所有していたのはノヴァクたったため、地動説を否定するポジションではありますが、SNSなどではノヴァクが裏の主人公なのではないかと考察している人もいます。

チ。 ―地球の運動について―
チ。 ―地球の運動について―

1章の主人公

 アニメ第1話〜第3話までが1章です。12歳の少年・ラファウが地動説を研究している学者・フベルトと出会い、物語が動き出しました。原作者の魚豊氏はインタビューなどで、ラファウが主人公であると認めています。

ラファウ

■声優:坂本真綾(さかもと まあや)

アニメ『チ。 ―地球の運動について―』ラファウ、場面カット1
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 ラファウは12歳にもかかわらず飛び級で大学進学が決まった神童です。大人びた性格で合理的な考え方をする少年で、地動説を研究していたフベルトに出会って地動説を知りました。それまで天動説が正しいと信じていたラファウでしたが、フベルトが唱えた仮説である地動説に惹かれていきます。

 「世界チョレ〜〜〜」など、世間を見下した発言をするラファウ。原作者の魚豊氏がラファウを真面目なキャラクターにしなかった理由は、世渡り上手で合理的な少年の方が身近に感じ、多くの読者が感情移入してくれるのではないかと考えたとのことです。部分的に見ると嫌なキャラでも、魚豊氏は真面目なだけの人間よりもラファウのようなキャラの方が好きだと答えました。

 ラファウの声優は坂本真綾さん。坂本さんの代表作には『空の境界』両儀式役、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』真希波・マリ・イラストリアス役、『〈物語〉シリーズ』忍野忍役などがあります。

チ。 ―地球の運動について―
チ。 ―地球の運動について―
第1話『地動説』、とでも呼ぼうか

2章の主人公

 第4話〜第15話にかけて放送された2章は、1章から10年後のストーリーでオクジー、バデーニ、ヨレンタの3人が中心となるエピソードです。

 原作者の魚豊氏はインタビューで、オクジーが主人公だと発言しています。SNSではオクジー、バデーニの2人が主人公という意見もあれば、ヨレンタを加えた3人が主人公なのではないかとの意見もありました。

 この項目ではオクジー、バデーニ、ヨレンタについて紹介します。

オクジー

■声優:小西克幸(こにし かつゆき)

アニメ『チ。 ―地球の運動について―』オグシー、場面カット1
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 オクジーは元代闘士でネガティブ思考の男性です。同僚のグラスが護送中の異端者に感化され、異端者に言われて向かった場所で地動説の研究資料が入った石箱を発見。優秀な修道士のバデーニに石箱の中身を見せようと村に向かう途中でグラスが事故死します。地動説に深く関わるつもりがなかったオクジーでしたが、バデーニに言われるがまま観測の手伝いをすることになり、地動説に関わっていきます。

 原作者の魚豊氏はインタビューでオクジーについて、仕事で人を殺すという意味においてはノヴァクと表裏一体のキャラともいえると発言しています。また「死」や「生」について悩むため、主人公としての成長の余地があると思うと答えました。

 オクジーの声優は小西克幸さん。小西さんの代表作には『天元突破グレンラガン』カミナ役、『鬼滅の刃』宇髄天元役、『逃げ上手の若君』足利尊氏などがあります。

バデーニ

■声優:中村悠一(なかむら ゆういち)

アニメ『チ。 ―地球の運動について―』バデーニ、場面カット1
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 バデーニは教会の規律に従わなかったことで右目を焼かれて、田舎の村に左遷された修道士です。非常に聡明で、顔の傷と右目に眼帯をしているのが特徴。オクジーが見つけた石箱の中に入っている地動説に関する資料を見て、宇宙が変わると確信を持ちました。地動説を完成させるため、ヨレンタなどの協力者の力を借りながら観測や研究をおこなっていきます。

 バデーニの声優は中村悠一さん。中村さんの代表作には『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』高坂京介役、『氷菓』折木奉太郎役、『呪術廻戦』五条悟役などがあります。

ヨレンタ

■声優:仁見紗綾(ひとみ さや)

アニメ『チ。 ―地球の運動について―』ヨレンタ、場面カット1
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 ヨレンタは天文研究所で働く女性です。とても優秀でありながら、女性という理由で虐げられて研究員としては扱われずに、雑用を命じられていました。バデーニが街の掲示板に天文に関する問題を掲載し、ヨレンタが回答したことがきっかけでオクジーたちと知り合います。当初は地球が動いているという考えは恐ろしいと感じていましたが、オクジーとバデーニに協力することになりました。2章から25年が経過した3章でも登場します。

 ヨレンタの声優は仁見紗綾さん。仁見さんがこれまでに演じてきたキャラクターとしては『ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉』メイ役、『君は冥土様 。』女子生徒役などがあります。

 3章で登場する、成長したヨレンタの声を演じているのは行成とあ(ゆきなり とあ)さん。行成さんの代表作には『ベルセルク』キャスカ役、『機動戦士ガンダム サンダーボルト』クローディア・ペール役、『はたらく細胞』NK細胞役などがあります。

チ。 ―地球の運動について―
チ。 ―地球の運動について―
第4話 この地球は、天国なんかよりも美しい

3章の主人公

 第16話~第23話にかけて放送された3章は、2章から25年後のストーリーです。

 3章初回の第16話にはドゥラカは登場しません。しかし、後半クールのキービジュアルではドゥラカが中心に描かれている、3章のオープニング映像はドゥラカが目を開けるシーンからはじまる、3章のエンディングのクレジットは基本的にドゥラカが1番上に記載されているなどのことから、3章の主人公はドゥラカだと思われます。

ドゥラカ

■声優:島袋美由利(しまぶくろ みゆり)

アニメ『チ。 ―地球の運動について―』ドゥラカ、場面カット1
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 ドゥラカは移動民族の女の子で、神を信じていません。不安が消えるまでお金を稼ぐことが信念で、村の発展に大きく寄与した功績があります。異端解放戦線のメンバーが隠した地動説に関する本を偶然読み、本が金になると感じました。異端解放戦線から本を渡すように言われたドゥラカでしたが、内容は覚えていると告げて本を燃やします。その後、ドゥラカは異端解放戦線の組織長のもとに連れて行かれます。

 ドゥラカの声優は島袋美由利さん。島袋さんの代表作には『ゆらぎ荘の幽奈さん』湯ノ花幽奈役、『ちいかわ』シーサー役、『夜のクラゲは泳げない』高梨・キム・アヌーク・めい役などがあります。

チ。 ―地球の運動について―
チ。 ―地球の運動について―
第22話 君らは歴史の登場人物じゃない

4章(最終章)の主人公

 アニメ第23話後半〜第25話までが4章(最終章)です。最初から登場する主要人物はアルベルトなので、アルベルトが主人公だと思われます。

 第1話序盤では物語の舞台が「15世紀(前期)P王国某所」とテロップが表示されました。しかし、第23話後半からはじまった4章では「1468年 ポーランド王国 都市部」というテロップが映し出されています。

 物語の舞台がポーランド王国に変わり具体的な紀年が表示されたことや、第1章で死亡した人物が4章でも登場することなどから、SNSでは第1章〜3章までの世界と4章の世界は繋がっておらず、パラレルワールドのような別の世界線の物語なのではないかと考察する人もいます。

アルベルト・ブルゼフスキ

■声優:石毛翔弥(いしげ しょうや)

アニメ『チ。 ―地球の運動について―』24話アルベルト・ブルゼフスキ場面カット02
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 アルベルトはパン屋で働いている青年です。情報収集によって相場を予測した概算を出してパン屋の経営に貢献していました。アルベルトの働きっぷりに感謝したパン屋の店主は、自分が費用を出すから大学に進学してはどうかと提案します。

 アルベルトの声優は石毛翔弥さん。石毛さんの代表作には『その着せ替え人形は恋をする』五条新菜役、『火狩りの王』煌四役、『トリリオンゲーム』平学役などがあります。

 少年期のアルベルトを演じるのは、『SPY×FAMILY(スパイファミリー)』アーニャ・フォージャー役や『葬送のフリーレン』フリーレン役などで知られる声優・種崎敦美(たねざき あつみ)さんです。

チ。 ―地球の運動について―
チ。 ―地球の運動について―
第23話 同じ時代を作った仲間

アニメ『チ。』の主人公の中で死亡したのは誰?

アニメ『チ。 ―地球の運動について―』ドゥラカ、場面カット2
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 アニメ第23話の放送時点では、上記で紹介した1章〜3章に登場する主人公たちは全員死亡しています。

 『チ。』では主人公が死んだ後、次の章の主人公に想いや研究が受け継がれていきます。 原作者の魚豊氏は『チ。』で描きたかったテーマを聞かれた際、地動説を信じる人たちが立場や時代を超えて決死の想いでバトンを託していき「命をかけられるものがある人生は幸せだ」というテーマを描きたいと考えたと答えました。

アニメ『チ。』の主人公は実在する?モデルになった人物は?

アニメ『チ。 ―地球の運動について―』ドゥラカ、場面カット3
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 『チ。』は15世紀のヨーロッパ某国を舞台にしたフィクションで、実話ではありません。

 原作者の魚豊氏は第1章の主人公・ラファウにモデルがいるかと聞かれた際、特定のモデルはいないとのことですが、魚豊氏が考える器用な人というのがラファウのような人物だと答えました。

 異端審問官のノヴァクについては、アウシュヴィッツ強制収容所に無数のユダヤ人を送ったナチスのアドルフ・アイヒマンを人物造形のヒントにしたと話しています。

 また4章(最終章)で登場したアルベルト・ブルゼフスキですが、1400年代に実在した人物と同じ名前です。

チ。 ―地球の運動について―
チ。 ―地球の運動について―
第20話 私は、地動説を愛している

アニメ『チ。』主人公一覧のまとめ

アニメ『チ。 ―地球の運動について―』ドゥラカ、場面カット4
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 アニメ『チ。』は全4章でストーリーが紡がれて、各章ごとに主人公が異なっています。1章では12歳の神童・ラファウが主人公です。2章の主要キャラはオクジー、バデーニ、ヨレンタの3人。3章では移動民族の女の子・ドゥラカ、4章(最終章)ではパン屋で働く青年・アルベルトがメインキャラです。

 主人公が変わる理由について原作者の魚豊氏は、何かが大きく変わる時は1人の天才が変えるのではなく、様々な人たちが意識的か無意識的に協力した結果大きなものが変わると思っているとのことで、リレー形式で章ごとに主人公が変わるようにしたと答えました。

※種崎敦美さんの崎は正式にはたつさきの字。
(C)魚豊/小学館/チ。 ー地球の運動についてー製作委員会

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