■「侮辱だ」裸婦像を撤去された経験がある彫刻家
彫刻家の大西康彦氏は、製作した裸婦像を撤去された経験がある。1987年に賞を受賞した作品『テラ・大地』を、四国の市役所の庭に展示。その後、移設されたり、「子どもが来る場所にふさわしくない」との声で撤去されたり、約20年間、行方不明となった。結局、市の資料などから辿り着いた場所で発見されたという。
大西氏は、一連の出来事を「侮辱だ」と振り返る。「私の作品は、公民館の前に置かれていたらしい。その裸婦像に、中学生が乗ってイタズラをした。それを見た人たちから『いやらしい彫刻が男の子を挑発した』という話に広がっていき、問題になり、急いで倉庫に隠して、行方不明になっていた」。
裸婦像は子どもにふさわしくないかについては、「そういう風には思っていない。中学生のイタズラがとんでもない話に発展した。それを見て、性教育の場で利用すればいいけど、彫刻のせいにした。 彫刻はものを言わないから」と述べた。
■「彫刻作品は、ふさわしい場所に置くべき」
