■雇用の流動化
一方の吉川氏は、「退職金が雇用の流動化を阻害しているなら根拠を出してほしい」として、「長く勤めたい人は勤めればいいし、転職して環境を変えたい・スキルアップしたい人は、転職できる環境を作っていくのは大事」と主張している。
現状の退職金制度は「長く勤めた勤続褒章的な意味合いがある。一時に多く払うと、老後の資金にもなる」と説明しつつ、「政府は『雇用の流動化が妨げられている』ことを根拠に掲げているが、厚生労働省の転職者実態調査を見ると、『退職金を満額もらいたいから』を理由にしている人はおらず、労働環境や人間関係、スキルアップを理由にしている」と話す。
吉川氏が今回問題視しているのは、「議論の進め方」だ。「事実と論拠に基づいて、オープンな場で議論すべきだ。私が社会に出た時代とは異なり、1社に勤め続ける人は減っている。そうした実態をとらえて、考慮する必要がある」。
制度をめぐる時代背景として、八代氏は「過去の経済成長期では、大企業はめったにつぶれなかった。子会社を作ることで、企業内で雇用の流動化もあったため、繊維などの衰退産業でも労働移動ができた。しかし今は、成長率が低いため、労働市場を使った流動化が必要とされている」と考察する。
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