■「賃金を上げる1つのやり方が流動化」

転職を希望する人
拡大する

 総務省の「労働力調査」によると、転職希望者は2023年7〜9月期で1035万人いる。働き方が多様化するなか、八代氏は「退職金ではなく、海外のようにポータブルな企業年金にすればいい」と提案する。「企業の外に積み立てられるから、倒産しても大丈夫。会社が変わっても、そのまま持っていけるから安心だ。しかし企業は、労働者をつなぎ止めたいから、なかなか嫌がって、導入しようとしない」。

 退職金課税の見直しが実現すれば、とくに“氷河期世代”への影響が大きいという声もある。年齢別月給を直近10年間での増減で見てみると、20~24歳は2.66万円増、25~29歳は2.8万円増、30~34歳は2.35万円増、35~39歳は1.89万円増、40~44歳は1.34万円増、45~49歳は0.2万円減、50~54歳は0.15万円減、55~59歳は1.56万円増、60~64歳は3.94万円増となっている(厚労省「賃金構造基本統計調査」2023年/2014年から)。

 八代氏は「過去30年間、賃金が上がっていない。氷河期だけでなく、その後の世代も大変だから、全体的に賃金を上げなければいけない」といい、「賃金を上げる1つのやり方が流動化だ」と持論を示す。「日本経済は労働者が少なくなり、人手不足による倒産が増えている。労働者を増やすだけでなく、少ない労働者をなるべく効率的に配分する必要がある。生産性が高いところへ移せば、本人の賃金も上がり、日本経済も成長する。『雇用の流動化は、労働者のためになる』と理解しないとマズい」と述べた。

(『ABEMA Prime』より)

この記事の画像一覧
【映像】雇用の流動化が理由?石破総理「退職金課税見直し」苦難続く就職氷河期世代
【映像】雇用の流動化が理由?石破総理「退職金課税見直し」苦難続く就職氷河期世代
風俗通いをやめられない夫…妻の苦悩「スマホから写真や動画も」

■Pick Up
キー局全落ち!“下剋上“西澤由夏アナの「意外すぎる人生」
「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
「ABEMA NEWSチャンネル」知られざる番組制作の舞台裏

この記事の写真をみる(4枚)