若手もタイトル挑戦者も、来るものすべてを吹っ飛ばす。ベテランのそんな気迫が現れた一局となった。全国を8つのブロックに分け、エリア対抗の形式で行われる団体戦「ABEMA地域対抗戦2025 inspired by 羽生善治」の予選Aリーグ2位決定戦、関西A 対 関西Bが3月22日に放送された。関西Aの佐藤康光九段(55)は、副将戦の第4局で今期の叡王挑戦者となった斎藤慎太郎八段(31)に勝利。力強い終盤の指し回しに、ファンからも絶賛の声が相次いだ。
今期の関西Aで主力としてチームをけん引するのが、京都府八幡市出身の佐藤九段だ。この試合では、2勝1敗で迎えた副将戦の第4局に登場。奈良市出身で関西Bの主軸でもある斎藤八段との対戦に向かった。
斎藤八段と言えば、過去に王座を獲得した強豪で、今春開幕の叡王戦五番勝負の挑戦者にも決定している。気迫あふれる表情で対局に臨んだ先手の佐藤九段は矢倉、後手の斎藤八段が雁木を志向すると、じりじりとした慎重な立ち上がりとなった。
ねじり合いの中で斎藤八段が仕掛けたが、佐藤九段が巧みに逆用してペースを掌握。簡単には譲れない斎藤八段も追い上げを見せると、互いに持ち時間がない中でスリリングは終盤戦となった。しかし、最後は佐藤九段が4八歩とぴったりの受けがあり、逃げ切りに成功。終盤力を見せつけて勝利を飾った。
佐藤九段の勝利に対するファンの反応