■偽ブランド品問題、「イタチごっこ」の現状と法的責任
西口氏は「イタチごっこ状態になっているので対応し続けるしかない。模倣品の業者が手を出しづらい環境を作っていくのがポイント。例えばネットを常に監視しているといった情報をオープンにすることで、企業として狙われにくい環境を作っていく必要がある」とし、「AIなどを活用してオートメーション化を進め、狙われにくい会社になっていくのがゴール」と語る。
財務省は、明らかに安すぎる商品などは偽物の可能性があるため購入を避けるように呼びかけている。
偽ブランド品を購入した場合、法的にどのような問題があるのか?
弁理士・知的財産アナリストの永沼よう子氏は「偽ブランド品に関する法律はいくつかあり、まず『商標法』を始めとした『知的財産権』。商標法は転売目的で所持することを禁じている偽ブランド品、つまりブランドのロゴそのものや、それに似たロゴのものを誰かに売る目的で所持している時点で罪に問われ得る状況になる。最初は自分のために買ったものであっても、途中から不用品処理のために売ってしまうと、この時点から商標法等の違法行為になりうる」と指摘。
続けて、偽物と教えずに第三者に売れば詐欺罪の可能性がある点について述べ、個人で所持する場合については「自分で使う目的であれば罰則の対象にはならない」。ただし、海外で偽ブランド品を購入した場合「(故意でなければ)罰則の対象にはならないが、関税法違反物品であることには変わらないため、税関で没収されてしまう。事業性がある場合は、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはこれを併科させられるということになる」と説明し、「うっかり手にする機会があっても、第三者に転売すると今度は自分が罪に問われる立場になってしまう。もし偽物を手にした場合でも、売らないというところは厳守してほしい」と強く呼びかけた。
■偽ブランド品輸入差し止め過去最多!「円安」と「Dupeカルチャー」が影響か
