■アンドロイド研究から考える人間に求められる進化

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 機械であるアンドロイドの研究を進めることは、人間とは何か、命とは何か考えることにつながるという石黒氏。突き詰めていくと、命の定義そのものにもつながっていく。

―「いのち」というテーマの中で、アンドロイドは無機質なもの。どういう意味があるのか。

 石黒氏 「2つの意味がある。アバターでもロボットでも壊れる。人間の100歳という寿命も短いのか長いのか本当は分からない。例えば100歳だと隣の惑星に行けない。これからもっと活動の領域を広げようと言った時に、人間の寿命は100歳でいいのかという、命の可能性みたいな話だ。もう一つは『命とは何か』という問題を考えるのに、すごくアンドロイドとかロボットは大事だ」。

―生物学的な意味の「いのち」とは異なるのか。

 石黒氏 「体がロボットだったら命がなくなるのか。例えば義手や義足を使っている、人工臓器を使っている方はどうなのかなど考えたら、生身の体は命とはあまり関係ない。要するに、生身の体が人工物に置き換わっても、その人とちゃんと関係性が保たれていれば、人権なんて失われないし、人間は人間だと思えるのではないか」。

■石黒氏が考える「いのち」とは
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