■小中高生の自殺最多…「大変な思いを抱えているほど、子どもは言語化が難しい」
警察庁自殺統計原票データによると、2024年の小中高生による自殺は、529人(男子239人、女子290人)で過去最多。自殺の要因(複数回答可)は、学業不振・学友との不和(いじめ以外)・進路に関する悩みなどの「学校問題」が272件、病気の悩み・影響(うつ病)などの「健康問題」が164件、親子関係の不和・家族からのしつけ・叱責などの「家庭問題」が108件だった。
自殺に悩む人の相談を受け付けている「東京メンタルヘルス・スクエア」の新行内勝善氏は、「子どもは1人では生きていけない。大人の状況を“合わせ鏡”のように反映している」と話す。「自殺報道のガイドラインはできたが、YouTubeでも発信があり、情報に触れる機会は増えている。家庭と学校の両方があり、『死にたい』とまでなる人は、複数の要因が重なっている場合が多い」。
周囲のサポートについては、「『死ぬな』と言う前に、まず理解してくれる存在が重要だ。何が起きて、どう感じたかをしっかり聞く。信頼関係ができてから、率直な気持ちをぶつけるのはいいが、そうでない状態で言われると『わかってもらえない』となる」と指摘する。
sakiさんは、「わかろうとするだけでも、きっと本人には伝わるはず。私は『大丈夫?』と聞かれると、『大丈夫だ』と答えてしまっていたので、『どうしたの?』という聞き方がいいと思う。寄り添うことに加えて、『自分はこうしている』と提案するのも手だ」と、自身の体験から述べた。
一方で、新行内氏は「いのちの電話などは、相談員が不足している」「若者にとって電話相談は第一の選択肢になりにくくなっている」との懸念を示す。「学校でソーシャルワーカーをしているが、子どもたちは必ずしもうまく言語化できるわけではない。大変な思いを抱えるほどに、より言語化は難しくなる。よく変化を見ることが、身近な大人の役割ではないか」とした。(『ABEMA Prime』より)
※厚生労働省は悩みを抱えている人に相談窓口の利用を呼び掛けている。1人で悩みなどを抱え込まず、「こころの健康相談統一ダイヤル」などに相談してください。
・こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556(※受付時間は都道府県などによって異なる)
・東京メンタルヘルス・スクエアSNS相談「こころのほっとチャット」(※正午〜24時、16時〜17時は休憩)



