■中野サンプラザ 再開発が「白紙」

加藤たくま氏
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 中野区議会議員の加藤たくま氏(自民党)は、中野サンプラザについて、「都心から見ても『三角形の白い建物』で、中野駅の場所が分かった。地元のランドマークタワーかつシンボルであり、東京全体でいう東京タワーのような存在だ」と説明する。

 中野サンプラザの再開発は、地上61階、高さ250メートルの複合施設を建設する計画だった。しかし当初見積もりの約1810億円から、2639億円に増額され、さらに2024年9月には約3500億円まで増えたことにより、再開発は「白紙」となった。

 当初案では1棟だったが、コストの増加を埋めるべく、見直し案ではツインタワーにして住宅が増やされた。「2021年に野村不動産が出した案では、事務所4割、住宅4割、その他2割の配分だった。建設費の急騰で、採算性を上げるために、住居を4割から6割に増加させて、分譲住宅の売り上げでまかなおうとした。特殊工法を取りやめて、ツインタワーにすることで、建設費の穴埋めを考えた」。しかし、「ツインタワーの案は、コンペで次点となった事業者が上げてきた案だった。公共事業で『次点をまねるのはどうか』という考え方もある」という。

 加藤氏は、再開発案には「サンプラザのDNAが入っていない」と批判している。「サンプラザだけでなく、隣の中野区役所と一体による再開発だったため、そこに住居は1棟もなかった。住居比率が4割になるのは致し方ないが、6割を超えると『DNAどころか、誰の子どもなんだ』と疑問符がつく」。

 サンプラザ跡地は、今後どうなるのか。「今のデベロッパーとは契約解除となり、どの事業者とやるか再選定する。もしくは、今の建設コストで難しければ、ビル自体をないものにするなど、思い切った変更をする可能性もある」そうだ。

■再開発のタワマン化はやむを得ず?
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