じわじわとリードを広げていくと、相手を幻惑するような手も指す糸谷八段からの勝負手も度々飛んできたが、格調高い指し手で知られる郷田九段はまるで揺るがず、1手勝ちを見据えてブレもなし。終盤に迎えたチャンスも逃さず、135手で勝利した。
珍しかったのは、この後だ。この大会では感想戦がなく、また駒もスタッフが次の対局のために並び直すため、終局後のあいさつを済ませたら両者ともに、そのまま控室に戻るが、今回の郷田九段はとにかく早かった。軽く頭を下げると、すぐに立ち上がり数秒の間にカメラのアングルから消えることに。思わず糸谷八段も、何があったのかと郷田九段の背中を目で追うような様子も見られた。
この光景には、ファンからも対局の内容以上に反応が集まり「高速の退出ww」「退席はっや」「颯爽と去っていった」「即去り」という感想が見られていた。
◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合は監督と出場登録棋士4人の計5人が参加。全員が1局ずつ指す「ステージ1」と、ステージ1で勝った棋士が負けるまで指し続ける「ステージ2」に分かれ、5人を先に倒した方が勝利チームとなる。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。
(ABEMA/将棋チャンネルより)




