では、なぜ子どもたちは、しゃがめないのか。小学生の運動器検診なども行う、たむら整形外科の田村隆典医師は、「膝から下の筋肉が非常に硬い子が増えてきているのが、ひとつの要因として挙げられる」と解説する。ふくらはぎ側の筋肉が硬いため、つま先立ちのようになり、「かかとつけて」と言うと後ろに倒れてしまうという。

 田村医師によると、しゃがむために必要なのは、ふくらはぎのところにある「腓腹(ひふく)筋」の柔軟性だ。この筋肉が柔らかければ、かかとを付けてしゃがんでも体勢をキープできるが、筋肉が硬く十分に伸びないと、そのまま後ろに倒れてしまう。「しゃがむと同時にかかとが浮いてしまい、後ろに転んでしまう子どもが、大体1クラスに4〜5人いる」。

「しゃがむ」仕事を調査
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