そこで考えたのが、そもそも「しゃがむ行為は必要か」だ。加齢により困難になる人も多いが、さほど日常で多くないのが実情だ。しかし、しゃがむ仕事の人もいる。ペットショップ「ZOO恵比寿」プロトレーナーの北村まゆみさんは、「ご飯をあげて、トイレを掃除して、コミュニケーションをとる。(しゃがむと)目も行き届くし、動物により近い目線で状態を確認できる」としながらも、しゃがむ動作を特別に意識したことはないという。

 目線を子供と同じにする保育士はどうか。保育士歴6年の宇田みのりさんは、「(仕事中は)ほとんどしゃがんでいる。腰は痛くなり、膝は黒ずむ。こちらの気持ちは、しゃがんで子どもの目を見ている方が伝わりやすいかなと思う。気持ちがよりわかりやすく見える気がする」と話す。一方で、「年配の先生たちは、一回しゃがむとしんどいみたいで、なかなか立ち上がりたくなさそうだ」とも言う。

 “お掃除職人”歴37年のきよきよさんも、「腰より下の部分の掃除で、気がつくと1時間くらいはしゃがんで作業している」そうだ。中でも一番しゃがむのは、風呂場の掃除だ。「風呂場は汚れるところが腰より下だ。膝をついたら濡れてしまうし、お尻もつけないので、しゃがんで仕事をしている」。

 変化として「目線が下がると、それだけ景色が違ってくる。上から見るときれいなものでも、しゃがんでみると汚れていたりする」などを挙げる。「『上から目線』という言葉があるが、相手に敬意を払うには、目線を合わせることも大切だ」。

 しゃがめるようになるには、どうしたらいいのか。田村医師がおすすめのトレーニングを紹介する。まずは、アキレス腱(けん)を伸ばすように、足の裏を床に付けたまま、膝を前に移動させて、ふくらはぎの筋肉をストレッチするもの。「朝昼晩、こまめに筋肉をほぐすべし」と指南する。また、子どものうちは体の順応性が高いため、かかとを付けてしゃがむ練習を繰り返していれば、1カ月ほどでほとんどの子どもが改善できるのだそうだ。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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