ガンダムのサーベルは、そのままララァの命を奪った。シャアは思わず「うわあああ!」と絶叫し、操作パネルを叩きつけて悔しがる。それまでどんな局面でも表情を崩さなかった彼が、人間としての素顔を初めて垣間見せた瞬間だった。
この激しい感情の爆発は、劇場版では静かに涙を流す演出に差し替えられており、シャアの“取り乱し”が描かれるのはTV版だけだ。仮面の下に隠していた心の奥があらわになった、唯一の瞬間。TV版でしか味わえないその“叫び”に、ぜひ触れてほしい。
アニメ「機動戦士ガンダム」は1979年4月から1980年1月まで放送されたサンライズ制作のロボットアニメで、富野由悠季監督が手掛けた作品。“リアルロボットアニメ”という新ジャンルを開拓し、以後のロボットアニメに多大な影響を与えた。放送当時の視聴率は振るわなかったが、再放送や劇場版の公開で人気が急上昇すると、「ガンプラ」ブームも生まれた。以降のガンダムシリーズや、スピンオフなどの派生作品も多数制作され、現在も高い人気を誇る。2025年4月からは新作アニメ「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」が放送中。
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