■「プラチナNISA」のメリット・デメリット

毎月分配型
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 高齢者向けの「プラチナNISA」の概要をおさらいしよう。金融庁が高齢者向けNISA創設を検討し、自民党議連が近く政府に提言する方向だ。岸田前総理は「NISAの全世代化」として、投資になじみのない高齢者にもNISAに参加してもらう狙いがある。朝日新聞の報道によると、毎月分配型の投資信託商品も解禁へ向けて動いている。分配金を毎月もらう投資信託なども対象となり、現行のNISAから分配型へ1回限り移行可能となるという。

 プラチナNISAを肯定的に捉えている第一生命経済研究所 首席エコノミストの永濱利廣氏は、「普通のNISAは、現役世代が収入を得ながら、将来の資産を形成するものだ。リタイアすると収入が減り、これまでの資産を切り崩して生活していくが、その時に運用している資産からも分配がないと生活が成り立たない。プラチナNISAでは、分配と資産運用を両立できる」と説明する。

 ファイナンシャルプランナーのゆたか氏は、プラチナNISAには「恐ろしい落とし穴がある」と考えている。「株式投資での利益は、株価自体の値上がり益と配当金だ。毎月分配型は、まさに配当金を毎月出すが、ファンドの利益が出ていない時には、元本が削られて分配される。5年後や10年後に、気がついたら元本が半分以下になっていることもある」。

■毎月分配型の仕組み
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