■本当にたんす預金が投資に回る?国民ファーストにする方法は

金融資産
拡大する

 リディラバ代表の安部敏樹氏は、「高齢者向けの“カモ商品”が増える」と予測する。「ファンドの収益化は、規模をどれだけ大きくするかと、工数を減らして手数料を下げるかしかない。その点、分配型は手間が増えて、コストが大きくなる。ニーズがあるところに対して、適切に売られればいい」。

 従来のNISAは「現役世代が投資期間を生かして、将来の不安に対抗できる点が素晴らしい」と評価する。そのため「プラチナNISAには、よりお金を金融マーケットに出してほしい」と願う。「もし高齢者優遇の制度を加えるなら、国益の観点から日本株に限定した方がいい。また、毎月分配型よりも、投資先の配当が出たタイミングで、そのまま分配した方が、工数が少なく手数料が下げやすい」。

 パブリックテクノロジーズ取締役CTOのTehu氏は、「死後に資産が残る場合には望ましい」としつつ、「相続面でのメリットがあれば、資金が出てくると思うが、いまのメリットだけでプラチナNISAをやるのか」と問う。これに安部氏は「高齢者には年金があるが、“マクロ経済スライド”が制度化されている現状では、インフレになっても支給額はあまり上がらない。インフレ対策としては、家でたんす預金するよりも、投資した方がはるかに物価高に対応できる」と返す。

■税制優遇などの施策は
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