4月15日に開かれた、財務省の財政制度等審議会。私学助成の見直しに関連し、財務省は大学の授業例をあげて「義務・中等教育で学ぶような内容」と指摘した。
【映像】「四則演算から始める」…公表された大学のシラバス(一部抜粋)
例えば、数学では「四則演算から始める」「数の取り扱いの基本を身につける」、英語では「現在形と過去形の違いを学び、身近な事柄を英語で表現してみる」などの記載があった。
これに対しネットでは、「大学でもちゃんと理解できるか疑問だし効率が悪い」「そんなものが必要な人は大学に来るべきじゃない」「大学が問題なのではなく、大学に辿り着くまでの教育内容の質が低下したからでしょ」などの声が上がっていた。
財務省は、私学助成について、高等教育にふさわしい教育を行っているかどうかという「教育の質」に合わせた配分を提唱している。
「義務教育中等教育で、いったん基礎的な教養は身に着けているということになっているはず。大学は、学校教育法にも書いているが、深く専門的な教養を学び、社会の発展に役立てていけるようにする場。法律でも明記しているため、しっかりそれに見合った内容にしていただく必要がある」(財務省)
一方で、こうした基礎的な授業が必要なのはなぜなのか。番組では、財務省が資料に掲載した文言と、各大学が公開しているシラバスを比較。指摘された授業を行っていたとみられる大学に取材をした。
「文系を主体とする本学学生の中には、これまでの学びにおいて数学が不得意だった学生も一定程度いるが、高等学校までの数学を体系的に再確認することを出発点とし、『なぜその解法が正しいのか』『前提が変われば結果はどう変わるのか』といった問いに向き合う経験をし、学びを深化させていくことは、社会で求められる思考力・判断力を育むことにつながる」
「学生の数学的思考力の底上げにつながる科目であり、授業を展開する意義はあるものと考えている」(“数の取り扱いの基本を身につける”などの授業を行う大学)
「本学に入学をしてくる学生には、学ぶこと自体が苦手な学生もいる。基礎的な学びの部分を再度確認することで、苦手な科目にも興味を持ち、学ぶ力を身につけられるよう指導している」
「4年後には社会で活躍できる人材になることが出来るように教育をすることが、本学の使命と考えている」(“文型の基本とbe動詞の基本的な機能を整理”などの授業を行う大学)
財務省が挙げた授業例の中には、日本語の授業として「原稿用紙の使い方を学ぶ。特に句読点、数字、記号の書き方を練習する」という項目もあったが、該当する大学は「留学生の日本語会話教育の継続の意味合いで実施しており、日本人は履修の対象としていない」ということだった。
改善すべき点とは?
