西村氏は、納車の長期化について、コロナ禍の影響は解消されている一方で、自動車産業の事情があると解説する。「これまでの自動車業界は“お客様優位”で、お待たせしないことが美徳とされてきた。ユーザー目線ではありがたいが、自動車業界は550万人が働いているので、いつ売れるかわからないものを一生懸命作るよりも、効率よく作って働いている人々もしっかり休むようなワークライフバランスが、自動車業界にどんどん入ってきている」。

 また、「人気車種の場合は、ユーザーからの注文をある程度まとまった数受けてから、部品との整合性を合わせて、まずは納期を連絡している。『半年後に納車』『8カ月かかる』などと客に伝えている」とのことだ。

 しかしながら、この長期の「納車待ち」が、“自動車転売ヤー”による価格釣り上げを起こしている。中古車オークション市場では、中古の人気車種が、新車を上回る価格で取引されているという。

外国人バイヤーの存在も…