将棋のヒューリック杯第96期棋聖戦挑戦者決定戦が4月25日、東京・将棋会館で行われ、杉本和陽五段(33)が名人挑戦中の永瀬拓矢九段(32)に勝利し、藤井聡太棋聖(竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、棋聖、22)への挑戦権を獲得した。同日付で規定により六段昇段を遂げた杉本新六段は、「失うものは何もない」と初めて上がる番勝負を澄んだ瞳で見据えた。
ジャイアントキリングの瞬間に、ファンが沸いた。全棋戦を通じて初めての“決勝戦”に臨んだ杉本六段。相手はタイトル5期のほか、令和のタイトル戦の常連で本棋戦でも挑戦権争いの本命と見られていた永瀬九段。自身の先手で三間飛車を志向したものの、早い段階で主導権を握られ長く苦しい時間を過ごすこととなった。
それでも闘志が折れることはない。渾身の粘りを見せて大激戦となった白熱の終盤戦で逆転に成功。フルスロットルで迫りくる永瀬九段をかわしきり、待望の勝利を飾った。
現在、名人挑戦中の強敵・永瀬九段を破って五番勝負への切符を手にした杉本六段は、「棋士になったときは自分がタイトル戦に出るというのは想像しがたかった。腐らずやってきて良かった」とコメント。「棋士になってタイトル戦に出たいという気持ちは持っていましたが、(タイトル戦を)身近に感じることすらできない現状があった。信じられない」と表情をこわばらせつつ喜びを語った。
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