杉本六段は、王座のタイトル経験者でもある中村太地八段(36)らと同じ故・米長邦雄永世棋聖門下。師匠が永世称号を獲得したタイトル戦の舞台に立つことになるが、「何か縁があるのかなとは思いますが、決勝トーナメントに入ったのも初めてですし、縁を感じるところまでは行けていないです」と苦笑いを見せる場面も。「最近、師匠のお墓参りもちょっとサボっていたので、これを機会に行こうかなと思います(笑)」と嬉しそうな笑みを浮かべた。

 プロ入りは2017年の25歳と遅咲きだ。それでも「年を重ねても強くなることをあきらめなくない」と着実に実力を伸ばし、8年目にしてついに夢舞台へとたどりついてみせた。若き絶対王者の藤井棋聖とは過去2戦で2敗。直近の対戦は2023年10月の銀河戦決勝トーナメント準決勝での対戦となるが、「(藤井棋聖が)八冠を達成した直後の対戦で、木っ端みじんにされた」と振り返る。それでも、杉本六段は「失うものは何もない」とその視線はどこまでもまっすぐに前を見据える。「せっかくなので、普段の藤井先生のタイトル戦とは毛色の違った作戦をたくさん用意して臨みたい」と瞳を輝かせた。

 さらに、棋聖戦といえば優勝賞金額を4000万円に増額することが発表されたばかり。さらに特別賞1000万円が新設され、事実上の賞金総額は5000万円に。竜王戦の賞金4400万円を上回って棋界最高額となったこともあり、将棋界内外から大注目が集まっている。“5000万円”をかけて番勝負を戦うことになった杉本六段は、「まさか自分が当事者になるとは…」と驚くばかり。「今日の対局もそうですが、金銭的なことはなるべく意識しないようにはしていました(笑)。執着を捨てていこうと思います」とし、対局に全集中することを誓っていた。

 ユーモアあふれる杉本六段の喜びの会見の様子に、ファンも大興奮。「頑張って下さい!」「杉本棋聖なったれやー」「良かったなぁ」「確変したお杉は強いぞ聡太棋聖よ!」「夢を実現にした杉本先生、すごい」「杉本さん応援したくなるな」「楽しみや」と6月3日の開幕戦に向けて、ABEMAの視聴者からは応援のコメントが殺到していた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

【終局の瞬間】ヒューリック杯第96期棋聖戦 挑戦者決定トーナメント 永瀬拓矢九段 対 杉本和陽五段
【終局の瞬間】ヒューリック杯第96期棋聖戦 挑戦者決定トーナメント 永瀬拓矢九段 対 杉本和陽五段
【中継】ヒューリック杯第96期棋聖戦決勝トーナメント永瀬拓矢九段対杉本和陽五段
【中継】ヒューリック杯第96期棋聖戦決勝トーナメント永瀬拓矢九段対杉本和陽五段
将棋8タイトル戦 年間日程 藤井七冠 VS 対戦者情報も

■Pick Up
キー局全落ち!“下剋上”西澤由夏アナの「意外すぎる人生」
現役女子高生の「リアルすぎる日常」をのぞき見
【裏話』『インフォーマ』演者たちが語るタイでの撮影秘話