ところが南1局はあまりにつらかった。たろうからカン三万のダブルリーチが入ったからだ。第1打から1つずつ捨て牌を頼りに放銃を回避しなければならないからだ。南2局に親番が控える多井は、このダブルリーチを避けつつ、少しでも加点して自身の親番につなげたいところだった。慎重な打牌を重ね流局寸前まで来たが、ここで運命のいたずらが待っていた。ハイテイは多井の番。ここで引いてしまったのがラスト1枚になっていた三万だ。
多井の手牌にはたろうの現物もあり降りることは容易だったが、奇跡につなげるためにはノーテン罰符すら無駄にできない。危険であることは重々承知ながら一縷の望みに託して三万をツモ切りしたが、これにたろうの「ロン」の声が出た。
苦悶の表情を浮かべる多井に対してファンからは「不幸過ぎ」「これは泣いちゃう」と同情の声が集まる中、ダブルリーチをかけた後に最後の1枚で上がるローカル役満「石の上にも三年」について語るファンも多く「これって伝説のダブリーハイテイ」と盛り上がりも見せていた。
※連盟=日本プロ麻雀連盟、最高位戦=最高位戦日本プロ麻雀協会、協会=日本プロ麻雀協会
◆Mリーグ 2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合(全216試合)を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合(全30試合)を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ(16試合)に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。
(ABEMA/麻雀チャンネルより)
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