■歴史ある酒蔵も経営難、新規参入にもハードル 苦しい日本酒業界
栃木県日光市の片山酒造は、創業146年(明治13年・1880年)を迎える。日光連山から湧き出る伏流水を100%使用し、伝統的な搾り方「佐瀬式」を採用。世界最大級の日本酒コンペティション「SAKE COMPETITION」ではシルバー賞を受賞した。
杜氏(とうじ)でもある、7代目の片山智之代表(55)は、伝統ゆえに“負の遺産(借金)”も引き継いできた。「何代も続いているところには、散財する代がいる。私には2人子どもがいるが、もし『継ぐ』と言ったときに、普通の会社まで戻せるならお願いする。それができないなら、廃業もない話ではない」。50歳で受け継いだ際に「10年頑張って、普通の会社に戻せるか」を目標にした。「そこを一つの区切りとして決断しようかなと。あと5年間」。
ひろゆき氏は、老舗再生のヒントとして、酒かすに目を付けた。片山酒造では「佐瀬式」と呼ばれる、圧力をあまりかけずにお酒を搾る方法を用いている。「あまり搾らない方が、お酒も雑味が出ない。風味のいい酒かすとして重宝がられる。もしかしたら全国で一番高い酒かすかもしれない」と語る片山氏に、ひろゆき氏は“甘酒”として売り出すことを提案する。
これに片山氏は「搾りが浅く、残存アルコールが多い。顔が真っ赤になる」と説明するが、ひろゆき氏は「むしろプラスポイントだ」として、少しアルコールを感じる酒かすが生む、「お米の食感がちゃんと残っている甘酒」の商品化を勧めた。
■廃校を利用して酒造りをエンタメ化も
