ファーストガンダムをリアルタイムや再放送、配信などで何十話と観てきた視聴者にとって、「てててーん、てててん!」はサブタイトルの定番ジングル。聴覚で条件反射のように記憶を呼び出す“記号”として身体に刻み込まれているのだ。
画面は今風にアップデートされていても、耳に届いたその瞬間に、感情だけが1979年に戻される。今回のサブタイトルは「白いガンダム」であるにもかかわらず、そこに流れるのは46年前の“ガンダムの音”。そのギャップも含め、作品の空気を一気に特別なものにしてしまった。
演出的にはごく短いものだが、それでも十分すぎるインパクトを残したのは、「ガンダム」というシリーズにおける“音の記憶”の強さを物語っている。
若いファンのなかにはこの音に何のひっかかりもない人もいるだろう。だが、長年ガンダムとともに育ってきたファンにとっては、この「てててーん、てててん!」だけで少年時代に戻れてしまう。たった一音で46年前にタイムスリップした気になってしまう、まさにガンダムというブランドの演出力を見せつけられた瞬間だった。
「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」は、1979年から続く「機動戦士ガンダム」シリーズの最新作。宇宙に浮かぶスペースコロニーで平穏に暮らす女子高校生のアマテ・ユズリハが、少女ニャアンとの出会いにより、非合法なモビルスーツ決闘競技《クランバトル》に巻き込まれていく物語だ。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズなど手がけるスタジオカラーとサンライズの共同制作が話題を呼び、テレビシリーズに先駆けて今年1月に公開された劇場版は、興行収入30億円を超える大ヒットを記録した。
(C)創通・サンライズ
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