日本維新の会は選択的夫婦別姓そのものには賛成だが、立憲民主党案との大きな違いは民法改正の有無だ。同党案は旧姓の通称使用を法制化するというもの。戸籍制度は維持したまま、届け出があった場合には旧姓を戸籍に記載。拘束力がなかった「旧姓使用」に法的な効力を持たせる内容になっている。同党の政調会長を務める青柳仁士衆議院議員は「具体的なお困り事を解決する案だ。戸籍法を改正し戸籍の中に『届け出欄』を作る。そこに旧姓を通称として位置づけて、公称されるもの全てに旧姓を使えるようにする」と説明した。

 つまりパスポート、マイナンバー、銀行口座、登記などあらゆるものに旧姓が使えるようにするというもの。「民法の改正にはすごく大きな抵抗がある。法制審が案を出してからもう30年経つが、また各政党がバラバラなことを言っているし、この立憲案には自民党が絶対に賛成しない。本当に可決して具体的なお困り事の解決に1歩でも前に進める、維新の案しかないと我々は思っている」。さらには「今この時点で日本人を管理する方法は戸籍以外に存在しない。民法を改正して氏を分けてしまったら、家族の中で2つの戸籍ができてしまい、家族全員のインデックス管理ができなくなる」と、改正に伴う社会的コストの大きさを指摘した。

■法案可決の大チャンスを野党が逃す?
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