提言
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 どのような提言を行ってきたのか。「戦後すぐには図書館整備のための法律を提案した。戦後の復興期には、科学の基盤となるような研究所を作る提案も行った」。提言が日常に浸透している現状を「ダイヤモンドはキラキラしていて、誰もが『すごい』とわかる。しかし水は、あまりに当たり前だ」と例える。

 これらの提言を通して、「図書館や実験施設が整備され、最近ではLGBTQの権利保護について、一番早く提案した政府機関も学術会議だ。提言をもとにして、裁判の人権資料に使われるなど、いろんなところに根付いている」のだと話す。

泉健太衆院議員
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 立憲民主党前代表の泉健太衆院議員は、「学術会議の予算は、この10年間で減り続けていて、世界と比較すると『たった10億円しかない』と言える」と、資金面の課題に触れる。「学術会議は、学者の世界における“日本最高峰”で、オリンピックのような存在だ。世界各国の“ナショナルアカデミー”と同様に、『日本も学術の自由が守られている国だ』と証明できる大事な機関であり、『成果がないから衰退させていい』ものではない」。

■「議会からも国民からも研究成果が見えない」
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