「感染力が強いのは発疹が出る前」
症状について五藤理事長は「子どもは皮膚の症状が出ることが典型的に多く、一方で大人は皮膚の症状は出ず、主に関節症状が出ることが多い。特に大人の女性は、指・膝などの関節炎の症状が続くので、関節リウマチなどと勘違いされるケースも多い」と説明。その上で「感染力が強いのは発疹が出る前であり、皮膚の症状が出たときには感染力が弱まっている」「発疹自体に強い痛みはないが軽度のかゆみを伴うことがある」と補足した。
リンゴ病に感染すると約4〜14日の潜伏期間を経て軽い発熱や風邪の症状が1〜3日ほど続き、初期症状が落ち着いた数日後、頬や腕などに発疹が出るという。
初期症状は風邪と似ているが風邪と見極めるのは難しいのか?
五藤理事長は「とても難しい。特に幼稚園生などはよく風邪をひく。皮膚の症状が出ていないのに、いきなり『リンゴ病ですね』とは診断しづらい」と話した。
初期症状による診断が難しいという「リンゴ病」。感染を防ぐために、私たちが日常生活で気を付けるべきことは何か?
五藤理事長は「『流行性感染症』なので周囲にリンゴ病の人がいるかどうかが極めて重要。そして濃厚接触をしたかどうか」と説明した。
登校・登園への制限については「強い制限はない」として「(発症しても)体調が悪くなければ登校・登園していい。体調不良のときには登校・登園を自粛していただきたい」と述べた。
特に注意が必要な人については「妊娠初期の妊婦。流産のリスクが高まるため、感染が疑われる場合は直ちに医療機関への受診・相談が必要になる。次に、免疫不全のある方。抗がん剤・化学治療をしている方は、重症化する可能性があるため注意が必要。最後に溶血性疾患をもたらすので、貧血の基礎疾患がある方は、重度な貧血状態になってしまう」と指摘した。
なお、リンゴ病には特効薬や抗ウイルス薬は存在せず、基本的に自然軽快する疾患。治療は対症療法が中心だという。
栃木や群馬、山形などで流行
