これについて堀内市長は「燃料費等を含めても60万から80万かかるケースも多々ある。閉山中の登山に関しては(救助の)有料化というものを打ち出していくべきではないかと考えている」と発言した。静岡・富士宮市 須藤秀忠市長も「救助の費用たるや莫大なものになる。(その費用は)遭難者負担にすべきではないかと思っている。自己責任だと」と語った。

 「救助有料化」の根拠とするのが「自己責任論」。救助を担う地元行政の責任者が口にする「自己責任論」は命を守ってもらうための最終手段ともとれる。富士山・閉山中は登山道が雪で覆われ入山は事実上、禁止されているが「登山計画書」を出すことを条件に法的には禁止されていない。

 冬の富士山はヒマラヤ以上に過酷とされ訓練で入山するプロのクライマーたちもいる。元F1ドライバーで冒険家の片山右京さんは2009年12月、訓練で入山中に強風によりテントごと吹き飛ばされ、同行していた2人が死亡。亡くなった2人は登山経験豊富なプロだった。そんなプロでも閉山中の富士山は危険でこれまで遭難事故も多数発生している

 また、山の怖さを知らないがゆえの軽装登山や準備不足で、トラブルや体調不良なども報告されている。

富士山での遭難者数は増加傾向
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