楽屋でインスリン注射、付き人がお客さんをチェック…糖尿病と闘うコージー冨田のステージ裏
開演2時間前、リハーサル。ステージ上には、コージー用の巨大な立ち位置マーク、いわゆる、バミリが貼ってあった。
コージー:僕の場合、昔はリハなんてやらなかった。リハなんてやらなくても出来ますから。だけど今はやらないと どこが真ん中なのか、どこは袖なのか、どこに階段があるのかとかって全部確認して。『そっくり館キサラ』は30年出演していますからわかるんだけど、それでも一応やっておかないと。
――お客さんの反応はどう感じ取りますか?
コージー:僕より前にやっている人のウケを聞いています。この人のこれウケてるなとか、こいつのこれがウケてるなら大した客じゃないなとかね。(タモリのモノマネで)『髪切った?』ってやるんですけど基本的には女性にやるんで、どこに女性がいるか(スタッフに)聞いてね。見えてないけど『髪切った?』って言うんですよ。見てもらわないと全然誰もいないところで『髪切った?』ってやってましたから。透明人間に髪切ったって。リハやればちゃんと出来ますから。暗転の中、袖に帰っていくのは怖いです。
視力が低下してからはモノマネの新たなレパートリーを増やすことが難しくなったそうだ。
コージー:2019年から出てきた俳優の顔がわかんないとかね。それまではわかるんですよ。例えば広瀬すずとか、わかりますよもちろん。伊藤沙莉もわかる。浜辺美波はちょっとわかんないとか。そこからもうその時は。もう見えてなかったんで。
そんなコージーの付き人を2年前からしているのがどんまいみどりだ。
どんまいみどり:実際にモノマネを教えていただいてるんですよ。一緒にいるとアドバイスをもらったりとか芸を学ぶことができるというか。付き人でいかせてもらうんですけど。その付き人だけじゃなくて、芸の勉強もしています。
コージー:どんまいみどりさんにはお世話になっています。
開演30分前、コージーは食事をとる。
コージー:今日はカレーなんでアレですけど、(仕切りのついた)9つぐらいの部屋に分かれた弁当があるでしょ。ああいうのはもうここにご飯があって、揚げ物があってって全部教えてもらわないと(わからない)。(インスリン)注射出して、注射。
――注射打つタイミングは決まっている?
コージー:食べる前です。この(食事の)量を見てこのくらいとか量を決める。
――カレーは食べやすいほう?
コージー:そうですね、スプーンだからね。みんなはまかないがいろいろある。(見えやすいから)俺はカレーにしてもらってる。でもこぼすのはね、見えないってよりは俺の行儀が悪いだけだと思うんだよね。
本番を控え、コージーが口にしたのは、お客さんへの思いだった。
コージー:(客は)心配になるじゃない。何をやっても。大丈夫かなとか、倒れないかなとかって。それじゃ笑えないからね。だからモノマネ芸だけ見てくれればいい。俺としては笑ってほしいわけよ、エピソード全て。だけど大変だなとか、笑っちゃいけないだろうなって思ってるんじゃないかと思って。だから全然笑っていいですよっていう。
開演5分前。開演直前になり付き人のどんまいが最前列のお客さんをチェック。「テージ左から夫婦、夫婦、女性2名様、男性2名様」と、コージーがいじりやすいように状況を伝えている。
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