この一戦について、現IBF世界フライ級王者の矢吹正道(32・LUSH緑)は「前半は意外といい勝負をする。中盤後半の戦い方が鍵。レオ選手はそのまま来る。前に来る人に対して足使っちゃうと捕まる確率が高い。いかに捕まらず自分の距離で戦うか」とポイントを指摘。
世界2階級制覇の畑山隆則は「レオは器用なタイプではない。パワーのボクシングだから亀田が下がってレオが行くっていう予想にはなる。亀田は巧さはある。それを生かして距離をとって戦うのはアリ。手数は少ないので、もう少し積極的に」と述べる一方で「ただ、レオと打ち合うと…『逆に大丈夫なの?』と思っちゃうけど…やめた方がいいんじゃない。打ち合うことはしないと思うんだよね」と亀田に関する懸念も指摘する。
「レオと打ち合うのは危険」
この畑山の意見に矢吹も「そう思う」と静かに頷く。さらに矢吹は「前の手が巧い。上下に打ち分けてスピーディーで…」と話したが、ここで話を中断。その理由について問われると現王者としての本音が飛び出す。
「パンチが軽いかな…みたいな。結構手打ち感が凄いんで、対戦相手からするとそこまで怖いもんがない。レオ選手はお構いなしに来るのでは」
これには畑山も「怖さがない。ハンドスピードはあるんだけど、手打ち感がやっぱ否めない」と続く。
さらに矢吹は「あの階級で世界のトップで戦っていくってなると、難しい部分はある。若干、メンタルもそこまで強くない。“ここぞ”で行けない部分がある。ただ、テクニックはある」とフォローも交えつつ、やはり厳しい見解だ。
接近戦について畑山は、レオがロペスを倒した接近戦からの左フックに触れ「接近戦は亀田は危険」とバッサリ。一方、2021年にフルトンが足を使ってレオに3-0の大差判定で勝利した一戦にヒントがあるとも。
これらを踏まえ矢吹は「和毅選手に勝ってほしい」と言いつつ「中差から大差でレオ」と勝敗を予想。「勝ち筋が見えない」と言い切った。対して畑山も「亀田は厳しいと言わざるを得ない。ガンガン出てくるレオに前半は上手く戦うかもしれないけど、中盤から後半に打たれてきて、後半これは打ち合うしかないとなって巻き込まれるのは予想できる。そうなると亀田は不利」と不利の予想。
亀田本人が口にしているように、これに勝てば井上尚弥が階級を上げてきた時に面白い展開になる。「亀田がレオに勝てば、日本ボクシング界が面白くなる」その点について二人は口をそろえ、亀田の奮起に期待を示した。
亀田和毅は、レオがロペスを倒した時のように“絶対不利”を覆して亀田家にもう一つのチャンピオンベルトをもたらすことができるのか――その答えは、まもなく明らかになる。

