大きなサプライズとなったのが、5月23日に発表されたFIFAワールドカップ2026・アジア最終予選(3次予選)に臨む日本代表メンバー27人だ。すでにW杯本大会出場が決まっているため、なんと前回の3月シリーズから14人も入れ替え。ヨーロッパの2024-2025シーズンが終わったタイミングだけに常連メンバーの多くは“休養”を与える形で選外とし、初招集が7人、復帰組が7人と実にフレッシュな顔触れとなった。
大幅なメンバー入れ替えを決断した森保一監督は、メンバー発表会見で「代表チームに消化試合や負けていい試合はありません。誰が出ても勝つ、勝利にこだわるということにチャレンジしたい」と改めて強調。そのうえで、「個人的な思いとしては、全員を使ってあげたいです。状況に合わせてできるだけ多くの選手をプレーしてもらい、(1年後の)ワールドカップを見据えたい」と、同時にテスト力も強い2試合になることを示唆した。
今回の予選ラスト2試合は、6月5日のオーストラリア戦(アウェー)と10日のインドネシア戦(ホーム)。環境的にも実力的にも難易度が高いオーストラリア戦に今回のベストメンバーをぶつけ、インドネシア戦はより新戦力を試す機会になるか。
これだけ陣容が大改造されただけに、システムすら予想は困難だが、ひとまず基本形の3-4-2-1でポジション別に整理したい。まず、入れ替えが唯一なかったGKは、ここまで予選全試合でフル出場の鈴木彩艶(パルマ)が絶対的な一番手で、オーストラリア戦はこれまで通りスタメンか。逆にインドネシア戦は大迫敬介(サンフレッチェ広島)と谷晃生(FC町田ゼルビア)のいずれか、もしくは2人にチャンスが与えられるかもしれない。
最終ラインは、ディフェンスリーダーの板倉滉(ボルシアMG)に休養が与えられ、負傷中の冨安健洋(アーセナル)と伊藤洋輝(バイエルン)、そして大怪我から復帰直後の谷口彰悟(シント=トロイデン)も選外と実に主力4人が不在。新しいセットが試されることになる。
復帰した町田浩樹(ユニオン・サン=ジロワーズ)は、今回のDF陣だと最も国際経験も豊富。左CBのレギュラーであり、最終ラインをまとめる役割も担う。そして、所属クラブで左CBを担っている初招集の鈴木淳之介(湘南ベルマーレ)がデビューを狙う構図だろう。
さらに赤丸急上昇中の20歳・高井幸大(川崎フロンターレ)も、今回は主力扱いになりそうだ。3月のサウジアラビア戦で好守を見せた右CB、もしくは今予選は板倉と谷口が担ってきた中央で起用されるはずだ。中央は4シリーズ連続招集となった瀬古歩夢(グラスホッパー)、約1年3か月ぶりの復帰となった渡辺剛(ヘント)も選択肢になる。
過去2回のシリーズは出番なしだった関根大輝(スタッド・ランス)は、右CBもしくは右WBで初キャップを目指すことになる。ただ、スタッド・ランスは日本時間5月30日に1部・2部入れ替え戦セカンドレグを控えており、同僚の中村敬斗と並んで合宿入りが遅れたり、コンディションが悪かったりする可能性も否定できない。オーストラリア戦を回避し、インドネシア戦での起用になるかもしれない。
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