ブンデスリーガで躍動の佐野海舟には大きな期待が
中盤から前で特徴的なのが、ポリバレントな選手の多さだ。初招集組は森保監督が会見で「両足が支えて激しく上下動でき、ウイングバックもウイングもシャドーもできる」と評した平河悠(ブリストル)をはじめ、18歳の佐藤龍之介(ファジアーノ岡山)はクラブでは右WBだがU-20代表ではトップ下、ボランチ、サイドハーフなどを担っており、三戸舜介(スパルタ・ロッテルダム)と俵積田晃太(FC東京)はシャドーとWB、佐野航大(NECナイメヘン)はボランチとシャドーで起用可能。約1年半ぶりの復帰となった森下龍矢(レギア・ワルシャワ)も、元々はSB/WBだったものの、ポーランドではウイングやインサイドハーフ/トップ下など攻撃的なポジションで躍動しており、今の森保ジャパンなら両WBかシャドーに置かれるだろう。
ボランチから整理すると、レギュラークラスの守田英正(スポルティング)と田中碧(リーズ)を外しただけに、主力級はキャプテンの遠藤航(リヴァプール)だけ。オーストラリア戦におけるその相棒の最有力候補は、約1年4か月ぶりの復帰となった佐野海舟(マインツ)だ。1年目のブンデスリーガで走行距離1位、デュエル勝利4位と際立ったスタッツを残し、森保監督も「サイズが大きいとは言えない中で(174cm)、ブンデスリーガで190cm前後の選手を相手にも十分に戦えていた。インテンシティーが高いし、ボールを奪う能力に磨きがかかっている。難しい状況でもボールを奪って攻撃に繋げる部分は代表でも活かしてもらいたい」と大きな期待を寄せていた。
また、今予選は招集こそされているがまだ出番がない藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)も、そろそろアピール機会が欲しいところ。そのほかの選択肢は、初招集されたボックス・トゥ・ボックス型の熊坂光希(柏レイソル)、より攻撃的な佐野航大と佐藤、そして展開次第ではシャドーの鎌田大地(クリスタル・パレス)をボランチに回してくるかもしれない。
右WBは、今予選で1〜3番手だった堂安律(フライブルク)、伊東純也(スタッド・ランス)、菅原由勢(サウサンプトン)が全員招集外。その中で最注目は平河だ。森保監督は「町田やパリ五輪の時から注目していた。ハードワークしながらゴールに向かうプレーはイングランドで逞しさを増した」と目を細めていたからだ。ただ、関根、三戸、佐藤、森下などを含めてこのポジションに明確な序列は存在せず、合宿を通じてコンディションやパフォーマンスが精査され、先発と途中出場の顔触れが決まる流れになるだろう。
WBとシャドーは様々な組み合わせが可能
