実は安田監督が『侍タイムスリッパー』よりも以前に制作した映画『ごはん』(2017年)が脚光を浴び始めている。
米農家の父が突然亡くなったことで、膨大な広さの水田を預かることになったヒロインが後継者不足、そして採算の合わない現実、そんなコメ作りに奮闘する姿をリアルに描いた作品だ。
日本一美しく田んぼを撮りたいという安田監督のこだわりで完成するまで4年の歳月をかけた。この映画を通じて表現したかったこととは何か。
「秋、土用干しと言って、一回1週間ぐらいカラカラにして、田んぼをひび割れるぐらいまで乾かして、一気に水を入れて穂をはらませるみたいな手法がもう何百年も伝わっているとか、コメ作り自体に面白いヒントがいっぱいある。そして、日本映画で一番美しく田んぼ周りを撮りたいし、ご飯が出来上がるまでに農家がどういう手順で、どういう思いで作ってきたのかを分かってほしいなという思いで作った」
コメ農家の高齢化問題
