元徳島県警捜査一課警部の秋山博康氏は、「仮に誰かがどこかで殺害したとしても、わざわざ遺体を列車の屋根に乗せることは考えにくい。もし殺人事件とみているなら、スマホで身元はすぐ判明していたはずで、警察はすぐに被害者の名前を広報する」と考察する。

 十日町警察署は「決定的な瞬間を目撃した人がいないため、死につながる原因については引き続き捜査を行っているが、なぜ屋根だったのかは確かに不思議だ」と取材に答えた。

 周辺住民の話によると、高校生が上の通路を通ったときに、列車の屋根を見て、遺体を発見したのだという。遺体は出発地の長野駅では、すでに屋根にあったとされている。つまり県をまたいで約90キロの区間を、誰にも気づかれず走行していたことになる。

 途中26ある駅のうち19駅は無人駅だが、沿線住民は「線路沿いでずっと家がある。3階建ての家が多いから見えるのでは」「(列車の屋根を見る)イメージもないから、気づかなくてもおかしくはない」と話す。

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