では、なぜ遺体は屋根で見つかったのか。そもそも男性は、どうやって屋根に上り、死に至ったのか。そして、なぜ遺体が屋根から落ちずに、列車は走行を続けられたのか。

 元京王電鉄運転士の響丈(ひびき・じょう)氏は、「基本的には前代未聞な話だ。走行中に落ちてきた、飛び降りてきたということは考えにくい。走行中に上から物が落ちてきたとなると、かなりの音が出るはずだ。運転手自身でなくても、2両編成の列車だったので、後ろの車両だとしても乗客が気づくと思う。車が何かにぶつかった時、運転しているとかなり大きな音がする。あれと一緒だ。異音を感知した場合は、直ちに止めて状況を確認する。走行中に落ちてきたことは考えにくい」と語る。

 専門家のなかには、ホーム間を移動する跨線橋(こせんきょう)から飛び乗ったのではとの推測もあるが、「跨線橋は大体しっかり壁と屋根があり、窓がついている。そこから飛び降りたとなると、他人の目もあり、なかなか考えにくい」と否定する。

どうやって屋根に上がったのか?
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