ホロコーストから逃れるために「マンホールの下」へ

ホロコーストから命を繋いだマンホール
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 女性とマンホールが映った写真について喜田記者は「この女性はホロコーストから生き延びた一家について調べた研究者だ。彼女の足元にあるマンホールの下には地下水道が流れている。この地下水道に1年半ほどこもって、ナチスドイツが撤退するまで生き延びた10人の家族がいる。地下水道は非常に狭く、高さが70センチしかないようなところもあり、当時の家族も地下水道に入って這うように移動しながら逃げていたのだろう」と説明。

21人が10人に

地下水道
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 さらに喜田記者は「狭いだけではなく不潔で衛生環境はものすごく悪かった。1年半の間は助けも必要で、地上にいた3人ほどのポーランド人とウクライナ人が食料や水を運んでくれたという。それでも生活は壮絶で、最初にトンネルに逃げた時は21人いたが、9人は耐えられなくなり途中で地上に出て殺され、あと2人は体力が低下して亡くなっている」と話した。

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