驚く後輩たち
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 戦型は先手・菅井八段が得意の中飛車に穴熊、稲葉八段も居飛車・穴熊で、相穴熊とお互いしっかり囲い合ってから力と力がぶつかった。形勢に動きが見えたのは59手目、先手から▲8五桂と跳ねた場面だ。両チームの控室でも、この一手が勝負どころと感じてか首をひねったり考え込む棋士が出る中、冷静に対処した後手がやや有利に。さらに終盤には後手から1筋に戦力を集中する作戦が見事に成功。粘りにも定評がある菅井八段の穴熊を、真上から圧倒するような攻めで、108手で勝利を収めた。

 稲葉八段の快勝にも見える一局に、誰よりも驚いたのが控室にいた後輩2人。プロになったばかりの吉池隆真四段(20)が「さすがですね。これは強すぎますね」と感心すると、上野裕寿五段(22)も稲葉八段の残り時間を見て「3分残しで…」と唖然の表情。ファンからも「寄せが見事すぎたな」「やっぱり稲葉」「腕がしなる」といった声が寄せられていた。

ABEMAトーナメント2025 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が8回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士7人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全8チームで行われる。予選は4チームずつ2リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。
ABEMA将棋チャンネルより)
 

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【映像】吉池隆真四段、「4六角」からの劇的勝利!
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