■義務教育レベルの講義が…Fラン大学の問題点

Fラン大学の授業
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 政府が示す「骨太の方針2025」の原案には、大学に関する記述がある。「国公私を通じた大学の連携、再編・統合による機能強化や縮小・撤退による規模の適正化を進めるとともに、教育の質の高度化を進める」。大学をめぐり財務省と文科省の間で“バトル”が勃発し、定員割れする大学について財務省が「義務教育で学ぶような内容の授業が行われている」と厳しく指摘すれば、これに対して文科省は「学び直しに関する内容が含まれていることのみをもって評価することは、適当ではない」と一面的な見方だと反発した。

 大学の定員割れは数値でも明白だ。財務制度分科会の調べでは、1989年に18歳人口が198万人、大学数499校、学生数が193万人、大学進学率が25%だったところ、35年が経過した2024年は18歳人口が半数に近い109万人にまで減ったものの、大学は増加して813校に。学生数は263万人に増え、大学進学率は59%にまで上がった。また日本私立学校振興・共済事業団の調べでは、1990年度の調査に回答した私立大学366校が入学定員充足率123.62%、定員割れ大学がわずか4.1%だったが、2024年度は598校になり入学定員充足率は98.19%まで降下。定員割れ大学は59.2%と6割近くに及んでいる。2つのデータから見ると、子どもの進学率こそ高まったが少子化により絶対数が減り、逆に大学は増えたことで定員割れが続出していることがわかる。

■じっくり将来を考える期間も大学ならでは?
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