参議院選挙に向け石破総理が公約として掲げた、全国民への「一律2万円」の現金給付。しかし、その実務を担う地方自治体からは、反発の声が相次いでいる。
大阪府の吉村洋文知事は6月17日、「またやるのか、あの作業。ほとんどの市町村自治体の思いだと思う」と述べた。
2020年、かつてコロナ禍で実施された一律10万円給付では、問い合わせ対応や支給業務で、全国の自治体に大きな負担がのしかかった。
千葉県の熊谷俊人知事は、「現金給付を発案した国会議員と国家公務員は全員、地方自治体に来て、給付事務に従事してみては」「いつまでも自治体任せだ」、「何度も繰り返す、この無駄で自治体を疲弊させる話にうんざりしている」などとSNSで痛烈に批判。
さらに史上最年少で市長に就任した兵庫県の高島崚輔市長(28)も自身のSNSで、「地方自治体は、国の下請けなのだろうか。物価高騰対策をしたいのは理解するが、どうかやり方を考えていただきたい」と投稿。
高島市長によると、給付金事業はあくまで「地方自治体がやりたいと名乗り出た」ことになっていると指摘。しかし実際には、事実上の「強制」に近い形で業務を担わされていると訴えた。
また、「結局業務を担うのは市区町村の職員。2020年も、多くの職員が元の業務を返上して携わったと聞いている」、「一律の金額の申請を受け付け、振り込む仕事は、国の方でやっていただきたい」、「地方自治体は、国の下請けではないはずだ」と投稿されている。
2万円の根拠について自民党の森山幹事長は、年間の食費にかかる消費税を念頭に算出した給付額だと説明したが、実際に今回の給付額でまかなうことはできるのだろうか。さまざまな世帯の消費税負担額を試算した、関東学院大学経済学部の島澤諭教授に聞いた。
なぜ“給付金2万円?”
