発端はイスラエルの先制攻撃だった。6月13日、イラン国内の100カ所以上を大規模空爆し、各関連施設や軍事施設などを破壊した。この時、イスラエルはイランの重要人物をピンポイントで狙い、イラン革命防衛隊や軍の高官、核開発に携わる科学者などの多くのキーパーソンが一斉に殺害された。17日には、首都テヘランの軍総司令部を攻撃し、「ハメネイ師に最も近い人物」とされる、アリ・シャドマニ最高司令官の殺害を発表した。

 一連の殺害について、小谷教授は「完全にイスラエルのネタニヤフ首相の指示だと思われる。おそらく『モサド』という対外情報機関が、イランに大量に入り込んでいる。彼らが協力者のイラン人を雇って、所在等を確認してきた。空爆によって殺害する、もしくはモサドのような対外情報機関を使い、工作によって暗殺するかのどちらかだ」との見解を示す。

 小谷教授によるとイスラエルで軍とともに、暗殺を主導してきたとされるのが、「世界最強の諜報機関」として知られる、イスラエル諜報特務庁「モサド」だ。その素性については「外国で情報収集したり、必要があれば特殊工作をやる組織。大変優秀で少数精鋭。特殊工作も暗殺や破壊工作に重きを置いている。アメリカや欧米の情報機関は、めったにそんなことはしないが、モサドは頻繁に海外での特殊工作をやる」と解説する。

どんな人物が暗殺や特殊工作を行うのか
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