イスラエルはイランの核開発にこれまでどう対処?
━━イスラエルはイランの核開発にこれまでどう対処してきたのか?
「イスラエルはイランの核開発に関して、核兵器の開発につながり、核兵器が自国に対して使われる恐れが非常に高いと懸念を表明してきた。2000年代中頃から、イスラエルはイラン国内でイランの核関連の科学者の暗殺したり、イランの核関連施設に対してサイバー攻撃を行うサボタージュ軍事作戦を行ってきた。
特にイスラエルのネタニヤフ首相がイラン脅威論を旗印にしているという側面は否めない。2012年には国連総会の場でネタニヤフ首相が爆弾のイラストを示し『イランの核濃縮が兵器の開発まであと一歩である』と演説した。つまり、そうした兵器の開発の危険性が高まれば、イスラエルとしては実力行使を辞さないという構えをすでに2012年の段階で示していた。
また2018年にはイラン国内で文書庫が襲撃され、核関連に関する秘密文書が国外に持ち出されるという事件があった。持ち出された文書はイスラエル国内で世界に向けて公開された。その時もネタニヤフ首相がその文書の内容について、海外に向けてプレゼンテーションをした。ネタニヤフ首相は、イランの核開発に対して自らが強いリーダーシップを発揮して阻止するんだという姿勢をずっと取り続けてきた。それが現実のものになってしまい実際に攻撃に踏み切ったというのがこの6月の出来事であろうと考えられる」
━━イスラエルは核を保有しているのか?
「間違いなく保有していると考えてよいと思う。イスラエルの保有する核弾頭は少なくとも90発とみられている。しかし、イスラエルは公的には核兵器の保有は認めていないが否定もしていない。これがイスラエルの核関連での安全保障政策ということになっている。」
━━なぜイスラエルによる核の保有は黙認されていて、イランは許されないのか?
「イスラエルによる核保有が認められて、イランによる核保有が認められない点に関しては、国際社会の二重基準と言わざるを得ない。アメリカによる同盟国びいきの側面もあるといえる。イスラエルの核は自らの陣営に属するものであり、イランの核は場合によっては仮想敵国に属するとすらいえるようなものだ。イスラエルはおそらく兵器使用可能な形で核を保有している。一方で、イランはまだ兵器化には踏み込んでいない。そこまでの段階には行っていないといわれている状態だが、開発が続けば、いずれ兵器化もみえてくる。その前にイランの核能力を崩壊させる行為にトランプ政権は乗り出す。または、イスラエルの助けを借りて乗り出すことになったといえると思う」
ホルムズ海峡の閉鎖は実施?
