ホルムズ海峡の閉鎖は実施？
「イランにとって、ホルムズ海峡の閉鎖は最も強いカードの一つである。カードを持っていると誇示する行為は、今後も続くと思うが、ホルムズ海峡を閉鎖した場合には世界経済への影響は避けられず、アメリカを含めヨーロッパ各国など先進諸国を刺激することが当然想定される。イランとしては、国家の存亡をかけて戦う段階に至るまでカードは切らないのが妥当な筋かなと思う」
━━日本への影響については？
「今回の衝突だが、カタールの米軍基地に対してイランがミサイルを発射、またはイスラエルがイランに対して攻撃をすることで、ペルシャ湾地域の情勢が著しく不安定化した様子をみせた。今現在は鎮静化の方向に向かっているとみえるわけだが、2024年4月にイスラエルとイランの間での限定的な武装衝突、さらに10月により大きな形での衝突、そして6月の武力衝突は徐々に拡大しているという分析もできる。
ホルムズ海峡を含め、ペルシャ湾に面しているドバイやアブダビといった中東における主要な金融センターの活動が麻痺する、または物流のハブである航空路、船舶の航行が麻痺してしまうということは起きてきている状態にある。
日本経済に対する影響としては、ペルシャ湾を通って日本にやってくる原油や天然ガスの運搬路が不安定な状況になっている。そしてこの不安定さを理由に石油化学や天然ガス価格が変動することも実際に起きている。
ペルシャ湾岸地域での情勢の不安定化は、ウクライナ危機以上に日本社会に対して影響を与えることを理解する必要があると思う」
今後の中東情勢は？
