今後の中東情勢は?
「イランの核関連に関しての交渉をアメリカが呼びかけていく可能性は非常に高い。4月、イランに対してアメリカが働きかける形で核関連交渉が始まった。その時にトランプ政権は『この交渉がうまくいかなければ武装攻撃も辞さない』という発言をし、今回実際に限定的ながら実力行使をアメリカが行った。
核関連交渉の注目ポイントは、イランがアメリカからの呼びかけに応じるかどうかという点だ。簡単には応じられない部分はあると思うが、応じなければ再びアメリカからの第二、第三の軍事攻撃も当然オプションになってくるので、イラン政府としても真剣に検討せざるを得ないだろう。
またイランは、イスラエルの周辺地域のレバノンやイエメンに息のかかった武装集団を展開しイスラエルを攻撃している。これがイスラエルがイランに対し脅威を抱くもう一つの理由だ。
これを取り除くためには、周辺の武装勢力をイスラエルが壊滅させる必要がある。昨年の9月から11月にかけてレバノンでヒズボラの壊滅が行われた一方で、イエメンのフーシ派に関しては、限定的な攻撃に留まっている状態だ。イラン本国の体制転換によって、根本から周辺の武装勢力を崩壊させようという意図もイスラエルにはある。
核関連交渉がアメリカとイランの間で手打ちが行われたとしても、イスラエルがイランに対して軍事行動を続ける可能性は十分にあると思う。イスラエルによるイランへの軍事行動がどの規模でどれほど続くのかに今後の中東情勢、特にペルシャ湾岸地域の情勢は大きく影響を受けるといえる」
(『ABEMAヒルズ』より)
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