■アンケート結果に愕然「校長に『クビにして』」
高校の英語教師である後藤さん(仮名)は、過去に生徒から低評価を受けた。教師になりたてで試行錯誤していた時期に、授業評価アンケートで半数以上が低評価だった。その背景には、好きな先生の話は聞くが、嫌いな先生の話は聞かないといった事情があった。なかには「校長に言ってクビにしてください」など辛辣な声もあり精神的にダメージを受け、「こう思われていると知ってしまうと、次に授業を行うのが怖く感じる」とした。
初任当時を振り返り、「大学で授業のやり方は学んだが、現場の生徒がどういう姿かは分かっていなかった。そのため生徒が求めている授業とミスマッチだった。その後はマシになって、自分でも授業の対策を練った」と語る。
大学ジャーナリストの石渡嶺司氏によると、授業評価アンケートは1960年代に、アメリカで導入され始めた。国内では、1974年に国際基督教大学(ICU)の一部有志が実施し、1988年に組織的に実施。1990年には多摩大学・慶應義塾大学でも実施された。そして、1998年の大学審議会で、授業評価アンケートの必要性が唱えられ、現在に至る。
■個人に関する批判的な意見も
