■40年の引きこもり生活、両親の死
国近斉さん50歳の頃、両親が相次ぎ死去
40年間引きこもっていた国近さん。「家にいても外に出てもなんか居心地が悪い。どうしてこんな気持ちになっちゃうんだろう。あまりに長すぎた。ボーっとした生活のツケなのだ」「このまま孤独死する」「やらなくちゃいけないことが山積しているのに、一歩足を踏み出せないでいる。時間は待ってくれないのに、ああ今日も一人切り、一人で焦り、一人で笑って、一人で泣いて…」(国近さんの日記より)
2024年6月、厚生労働省は全国の市町村職員を対象にした引こもり支援セミナーをオンラインで開催した。
山口大学大学院の山根俊恵教授は、山口県宇部市で引きこもり支援を行っている。「何もしないでただ待っていたら、10年、20年あっという間です。動ける安全な環境を作る、仕掛けて待つ、ということを私たちはやっています」(山根教授)
国近さんは、子供の頃から人付き合いが苦手だった。高校に入ると、勉強についていけなくなり2年で中退。約40年の引きこもり生活に入った。
「一人で食事したりとか、父や母に申し訳なかったけど、そういう生活が続きましたね。そうこうしているうちに、母が入院、体調を崩しましてね」(国近さん)
両親が亡くなり日記をつづるように…
