逃走ルートにも謎がある。上半身裸で裸足、財布もスマホも持たず、どうやってヨットハーバーから逃げ、今どこに潜伏していると考えられるのか。警察によれば事件直後、公共交通機関を利用した形跡もない。ヨットハーバーから八田容疑者の自宅がある町まで、約13キロ。ヨットハーバーから海沿いにあるホテルの裏道を通り、さらに海岸沿いには公園がつながり人目に触れずに逃走するのは可能だ。ヨットハーバーから約3.5キロの場所には、別府国際観光港があり、その時間は四国行きのフェリーがあるが、警察はその利用はないとしている。

 出口氏の推理は、「『車でひき殺せばどうなる』と聞いていれば、それを実行してみようとなる。この手のタイプはそうそういるものではない。どういうところに隠れるかと考えたときに、大都会に紛れ込む。隣に誰が住んでいるかもわからない、人間関係が非常に希薄な世界が都会だ。逃走する人間にとっては一番便利」といったものだ。

 矢月氏は「(フェリーは)荷台のチェックはしない。乗用車だとトランクのチェックもしないし、そこに滑り込んでしまえば、九州を脱出するには一番早い。例えば四国に行けば、お遍路さんがいるので、それに紛れて歩いていたら、裸でも裸足でもあまり気にならない」と話す。

 また、「マッチングアプリとかをやる人は、(スマホを)2、3台持っている。発見された携帯は、そのまま(車に)置いていたかもしれないが、別の携帯を2、3台持っている可能性はないか。自ら死ぬようなタイプではない。九州を出て本州をウロウロしているというのが、いま定説になっているが、意外と九州を出てないのではないか」との見解を示す。

お金を盗んで逃走している?
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