八田容疑者は、コップを購入した後、ショッピングモールの駐車場に車を置いたまま、どこかに出かけたとみられている。矢月氏は、その空白の時間に注目した。「マッチングアプリで引っかけていた女の子と待ち合わせていたのではないか。待ち合わせた女性が来なかったなら、ちょっと怒る。それでイライラしていた可能性もなくはない。二面性がある人なので、その辺でスイッチが二転三転したのでは」。事実、八田容疑者は、事件前にマッチングアプリで数多くの女性と出会い、交際していたことが取材でわかっている。

 八田容疑者が車に残した遺留品は、事件から1年後に公開された。裸足で逃走したため、サンダルとスニーカーが残されていたが、これらにも謎が存在する。八田容疑者はコップ購入時、サンダルを履いていた。しかし3時間後、ショッピングモールに戻る時には、スニーカーを履いていた。つまり、どこかに出掛けるときに履き替えたものと考えられる。

 しかし警察が事件直後、八田容疑者の車を調べた際、スニーカーは助手席に2足置かれており、サンダルは運転席の足元、さらにもう1足はドアの外だったという。つまり、被害者を追いかけ殺害したときは、サンダルだった。

なぜスニーカーからサンダルに履き替えた?
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