他の遺留品にも謎がある。国道10号を渡った先のヨットハーバーで発見された、八田容疑者が着用していた黒いTシャツだ。しかも草むらなどではなく、かなり目立つ場所だった。当日は真夏日(最高34.9度)だったため、大量の汗もかいていたはずだ。脱ぎ捨てられたとみられる20時は、事件現場に警察や救急車両などが到着した時間で、市内では事件発生はもちろん、八田容疑者の存在もまだ知られていない時間だ。
出口氏は「海に飛び込むことも十分考えられる。海に飛び込んでしまえば、そこで足取りは一回消える。その準備のために脱いだ。見つかってしまう危険性はある。転々としつつ、都会の中に紛れ込んでいる。その中で生活に困り、ご飯が食べられず、犯罪で解決していくことを、ずっと繰り返しているのだろう」と予想する。
矢月氏も「海に飛び込んで逃げようとした」と考える。「夜の海に飛び込む勇気のある人は、なかなかいない。『やっぱりやめた』となったのだろう。果たして本当に八田容疑者は、上半身裸だったのか。すごく肌荒れとかを気にするタイプで、ならば下にインナーを着てなかったのかなと思う。あのTシャツは目立つため、そのまま脱ぎ捨てたとしても、インナーを着ていたら、ランニング(シャツ)でも何でも、海沿いの公園を歩いていて、誰もおかしいと思わない」。
どうやって逃走した?
